鯖、特に真鯖は日本人の食卓に欠かせないポピュラーな魚の一つ。塩焼きや味噌煮、みりん干しなど食べ方も様々で、スーパーで安く手に入りやすい食材でもあります。
そんな鯖ですが、中々刺身で食べることができなかったり、世の中には驚くほど高価なブランド鯖が出回っていたりと、不思議に思われる方が多い部分もあります。
そこで今回は魚を扱って40年、海鮮居酒屋の料理長も務める片山水産の代表が、「真鯖」について基本的な情報から食通ご用達のブランド鯖、家庭でも飲食店でも気軽に作れる真鯖の料理など、徹底解説します。
真鯖に関する知識が深まりますので、ぜひご覧ください。
Contents
真鯖とは?「鯖を読む」のことわざの語源も紹介
まず、真鯖の基礎知識や豆知識について解説します。
- 真鯖の基本情報
- 真鯖の刺身があまり出回らないのはアニサキスが原因
真鯖の基本情報
真鯖はスズキ目サバ科に分類される魚種で、世界中の亜熱帯や温質海域に分布しています。
日本で「サバ」と呼ばれ食用とされるのは真鯖やゴマサバなどがいますが、多くの「サバ」は真鯖のことを指しています。
EPAやDHAが豊富で、健康食・美容食としても広く知られています。
真鯖の刺身があまり出回らないのはアニサキスが原因
真鯖は誰もが知る身近な魚でありながら、真鯖の刺身がスーパーや飲食店のメニューに出回ることはあまりありません。その理由は真鯖の刺身は他の多くの魚と比べてアニサキスのリスクが高いため。
腐敗は内臓から進んでいきますが、その過程で内臓の中にいる寄生虫「アニサキス」が身の方に移り始めてしまいます。このアニサキスが食中毒を引き起こすリスクがあるため、真鯖の生食は非常に鮮度の良いものでしかできないのです。
※アニサキスは熱で死滅するため、加熱調理すれば問題ありません。
ちなみに、スーパーや飲食店でも「締め鯖」はよく見かけると思います。締め鯖は加熱調理をしていない生の状態ですが、実は市場に出回っている締め鯖のほとんどが一度冷凍処理されています。
アニサキスは冷凍した場合も死滅するため、一度冷凍すれば生でも安心して食べられます。普通の刺身を冷凍すると解凍後に質が落ちやすいですが、締め鯖であれば質の劣化が感じにくいため、締め鯖は比較的多く出回っているのです。
余談「鯖を読む」の語源
「鯖を読む」という有名なことわざがあります。年齢などの数字を意図的にごまかす、という意味ですが、この語源は実は鯖の足の速さから来たと言われています。
今より冷蔵などの品質管理の技術が発達していなかった時代、鯖の鮮度を保つことは難しく、鯖は「腐りやすい魚」という扱いでした。そのため、鯖の取引は時間との戦い。個数を数える(数を読む)にあたっても丁寧に数えるのではなく、早口で急いで数えていたため、数え間違いが多かったそうです。
それが元で、「数をおおざっぱに数えること」転じて「意図的に数をごまかすこと」が「鯖を読む」となったと言われています。
※ことわざの語源には諸説ありますので検索してみてください。
真鯖の産地、有名なブランド品種を紹介
真鯖は日本近海を多く回遊しているため、特定の海域に偏らず多く水揚げされています。国内の真鯖の4大産地は「茨城」「長崎」「静岡」「三重」。この4箇所で国内全体の過半数の売上を占めています。
太平洋寄りの産地が多いものの、地域・海域に偏りがないことがわかります。全国各地に点在するブランド鯖について解説します。
- 金華鯖
- 関鯖・豊後鯖
- お嬢鯖
- 長崎ハーブ鯖
- 姫さば
金華鯖
金華鯖は宮城県石巻市が誇る天然の有名ブランド鯖です。「金華山沖で漁獲され、石巻港に水揚げされた旬の大型の真鯖」と定義されており、単に金華山沖で水揚げされればよいわけではなく、特定の時期に水揚げされた、一定以上の大きさの鯖のみが金華鯖を名乗ることを許されています。
旬の時期の脂が乗った大ぶりの鯖は旨味が強く、後味はすっきりとしており、上品な味わいが美食家に人気です
関鯖・豊後鯖
大分の関鯖は日本で初めてのブランド鯖として高い知名度を持っています。大分湾の豊後水道は瀬戸内海と太平洋の水塊がぶつかりあう海域。豊富なプランクトンを食べて育った海域の魚は脂の乗りがよく、その一方で海流の流れが速い厳しい環境で生息しており、身も引き締まっています。
その豊後水道で「一本釣り」で水揚げされた鯖にのみ「関鯖」のブランドがつけられています。豊後水道で網で捕獲された鯖は「豊後鯖」として関鯖のセカンドラインのような準高級ブランドで流通しています。
しっかりと引き締まった身に程よく脂の乗った関鯖は歯ごたえがよく、旨味もバツグン。海鮮全体のレベルが高い九州の中においても不動のブランドを確立しています。
お嬢鯖
お嬢鯖は鳥取県を産地とする陸上養殖鯖の新ブランドで、今急激に注目を集めています。県とJR西日本の共同事業として展開されていて、地下海水をくみ上げて完全に陸上養殖で鯖を育てていることが特徴です。
徹底した生産管理のもと、アニサキスなどの虫のリスクがない状態での出荷が可能であり、安心して生食を楽しむことができるのが最大のポイント。普段加熱調理でもあまり食べない白子、真子、肝ですら生食が可能です。
長崎ハーブ鯖
長崎ハーブ鯖は複数の水産業者によって海上養殖されている長崎県のブランド鯖。その名の通り、飼料の中にハーブを混ぜ込んだ餌で鯖を育てています。
それにより鯖が健康になり、臭みが消えて日持ちもよくなるなどの多くの効果があり、鯖特有の臭みのないクリアな味わいが高い評価を得ています。
姫さば
姫さばは福岡の糸島市に属する小さな離島「姫島」で海上養殖されているブランド鯖です。住人のほとんどが漁業者である小さな島を知ってもらいたい、活気づけたいという想いから養殖鯖のブランド化が進められています。
地元産の野菜をまぜ込んだ餌を与えながら、最良の状態で出荷できるよう徹底管理された鯖は臭みが少なく、青魚の旨味がしっかりと感じられる味わいが高い評価を得ているようです。
朝四時から水揚げし、鮮度を保ちやすくするためにすぐに血抜きを行うなど鮮度と美味しさを保つための努力が重ねられています。市場を経由すると「玄界灘産」と扱われてしまうため、姫さばのブランドで勝負すべく産地直送での販売にも力が入れられています。
一度は食べてみたい鯖の美味しい食べ方5選
家庭でも飲食店でも大活躍の美味しい真鯖の食べ方を5つ紹介します。
- 鯖刺し
- ごま鯖
- 鯖の味噌煮(サバ味噌)
- 焼き鯖(塩焼き)
- 鯖の竜田揚げ
鯖刺し
サバの生食は基本的には冷凍の締め鯖以外は奨励されていませんが、鮮度の良い鯖や養殖でアニサキスを排除した鯖であれば生食が可能です。鯖独特の甘みとコクは滅多に食べられないこともあり、非常に味わい深く良い食体験となるでしょう。
ごま鯖
鯖のお刺身は全国的には珍しいですが、玄界灘や鯖の代表的な産地である長崎から新鮮な鯖を仕入れられる九州では比較的ポピュラーに鯖を生で楽しむことができます。
鯖の刺身を甘辛いゴマダレをかけて食べる「ごま鯖」は九州のご当地料理の一つでおすすめです。タレの配合によって味わいが変わるので、オリジナリティあふれるごま鯖を作ることもできます。
鯖の味噌煮(サバ味噌)
鯖の味噌煮は代表的な鯖料理の一つ。味噌が鯖の臭みを緩和しつつ、味噌と鯖の旨味が溶けこみ極上のスープが出来上がり、ご飯のお供にも酒のおつまみにもピッタリです。
焼き鯖(塩焼き)
鯖は旨味の強い魚なので、シンプルな塩焼きでも美味しく食べることができます。朝ごはんから食べることのできる、重すぎずも満足感のある定番の日本食と言えるでしょう。
特に脂の乗った鯖を塩焼きにすると、表面の脂が香ばしく焦げ、なんとも言えない味わいを生み出します。皮がパリパリになるまで焼いて、大根おろしと醤油をつけても美味しく食べられます。
ご飯はもちろんのこと、日本酒などのお酒にもピッタリです。
鯖の竜田揚げ
真鯖を生姜や醤油を混ぜて作ったタレに漬けこみ、片栗粉をつけてザクザクに揚げた料理。真鯖の臭みが消え、香ばしさと鯖の旨みを感じられる、魚の臭みが苦手な方にでも親しみやすい一品です。
真鯖のことなら片山水産にお任せください!
片山水産では地元九州で水揚げされた新鮮な真鯖を店主の目利きで厳選して当日発送。最短翌日には東京にもお届けします。
- 新鮮で良質な真鯖をその日のうちに発送
- 良質な真鯖のみを店主の目利きで厳選
- 飲食店様必見!真鯖を使ったメニューをご提案
新鮮で良質な鯖をその日のうちに発送
鮮魚の中でも特に鮮度がネックの真鯖を水揚げされた当日に発送。鮮度バツグンなので、生食をお楽しみいただけます。本場九州の鯖刺しをぜひお楽しみください。
良質な真鯖のみを店主の目利きで厳選
水揚げされた真鯖の中でも厳選された質の良い個体をこの道40年の片山水産代表の目利きで選んで発送します。
ぜひ、スーパーに並ぶ一般的な鯖と比べてみてください。
飲食店様必見!真鯖を使ったメニューをご提案
飲食店様においては良質な真鯖を納品するだけでなく、店舗様に合わせた真鯖のメニューのご提案も行います。海鮮居酒屋の料理長も務める片山が店舗様の立場に立ち最適なメニュー考案もさせていただきます。
まとめ
真鯖について、豆知識から全国のブランド鯖、美味しい鯖の食べ方などを徹底解説しました。
真鯖は日本人にポピュラーな魚ですが、アニサキスなどの問題もあり生食が難しい部分もありますが、鮮度などの条件をクリアすれば生食が可能です。
全国各地のブランド鯖も非常に美味なので、見かけた際にはぜひお試しください。
片山水産では鮮度バツグンの厳選された真鯖を、水揚げから当日発送でお届けします。
興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。