商品を産地直送で購入する「産直」がブームになっています。鮮魚を購入する際にも漁師から直送で購入する選択肢も考えられますが、実際に産直仕入れのメリットはあるのでしょうか?
結論から言うと、漁師直送の購入には多くのメリットがありますが、鮮魚ならではのリスクもあります。
本記事では鮮魚を漁師直送で仕入れるメリットやデメリットを解消し、質の良い鮮魚を安く、安定的に仕入れる方法を鮮魚を扱って40年、水産業のプロの片山水産の代表が解説します。
鮮魚の仕入れでお悩みの方や、漁師直送での鮮魚の購入に迷われている方は鮮魚の仕入れの方向性を決める参考になりますのでぜひご覧ください。
Contents
鮮魚を漁師直送で購入するメリット
漁師直送で鮮魚を購入することで以下のようなメリットが期待できます。
- 鮮度が良い状態の魚が届く
- 安い価格で購入できる可能性が高い
- 生産者(漁師)の顔が見える
1.鮮度が良い状態の魚が届く
漁師直送便で届く鮮魚は鮮度バツグンです。
中央卸売市場経由で鮮魚を仕入れる場合以下の流れが取られます。漁師は獲った魚を漁協に卸し、それを卸売業者が買い取って市場に中央卸売市場で販売。市場で仲買人が買い付けを行い、そこで小分けされた商品が飲食店や小売店に届きます。このように複数の工程を経由するため、手元に魚が届いた状態では一定の時間が経過しているのです。
漁師直送であれば最短で水揚げされた翌日には手元に届くため、一般的なルートではありえない鮮度で魚を仕入れることができます。
2.安い価格で購入できる可能性が高い
漁師から直接購入することで鮮魚を安く仕入れられる可能性が高いです。鮮魚は漁協が価格を決めた上で買い取り、卸売業者、仲買人と介する中で中間マージンが乗った上で小売店、飲食店、一般消費者に届きます。
直送で購入する場合、価格は漁師と直接交渉して決まることになります。漁師の目線からすると漁協が買い取る価格よりも高ければコストメリットがあるのです。そのため、一般的なルートで購入するのに比べて価格も安くなる可能性が高いと言えるでしょう。
3.生産者(漁師)の顔が見える
漁師から直接購入した場合、「誰がとった魚か」を明示することが可能です。生産者の顔が見える商品は消費者の目線としても自分が食べているものをとった人がわかるという安心感をもって購入できます。「生産者直送」の付加価値とともにアピール材料にも利用しやすいため、高価格での販売もしやすいかもしれません。
鮮魚を漁師直送で購入するデメリット
一方で、漁師直送には以下のようなデメリットがあります。
- 供給が安定しにくい
- 魚の品質が安定しない可能性がある
- 「産直」に対応できる漁師がまだ少ない
1.供給が安定しにくい
漁師直送での仕入れには供給が安定しにくいリスクがあります。
漁獲量は天候や波の状況など外的な要因に左右されやすいです。不漁、悪天候、漁師自身の体調不良といった様々な要因で供給が安定せず、仕入れに影響が出てしまう可能性があります。
十分な仕入れが確保できないことは売上の低下に直結するため、特定の漁師に仕入れを依存する仕入れ構造は一定のリスクがあるといわざるを得ないでしょう。
2.魚の品質が安定しない可能性がある
漁師直送での仕入れは量だけでなく質が安定しないリスクもあります。
漁師は「魚を獲るプロ」であり、質の良い魚の個体を選別するプロではありません。獲れた魚の中から良い個体を選別して飲食店、小売店、一般消費者に届けることは市場の役割の一つなのです。とりわけ、多くの漁師には網で大量に捕獲した魚の質を選別するだけの時間はないでしょう。
加えて、多くの漁師は捕獲した魚を漁協に卸すことで捕獲から販売までのフローを完結させる場合も多いです。自らが鮮度を保つようにした処理して購入者に直接発送するといった業務には慣れていません。手元に届いた際の鮮度を決める重要な要素の一つが「取れてからの時間の短さ」ですが「どんな状態で梱包・発送されたか」も非常に大きいため、こういった作業に不慣れな漁師から直接購入すると、品質が安定しないリスクがあるのです。
3.「産直」に対応できる漁師がまだ少ない
漁師直送の最大の難しさの一つは、そもそも直送に対応している漁師の数がまだ少ないことが挙げられます。
先述の通り、一般的に漁師の魚の販売先は漁協。漁協が決めた価格で収量に基づいて買い取られるため、漁師は営業も価格交渉も必要なく、魚を獲ることに専念できます。自ら獲った魚を梱包し発送する、売り先を探す、価格交渉をするといった業務には慣れていない漁師が多いのが現状です。
直送での販売が漁協に卸すよりも高単価で魚を販売できることを知っていても、そういった業務に着手したくないがために漁協経由での販売に専念している漁師も少なくありません。加えて生鮮の海産物は鮮度の問題があるため、漁師自身が直送の販売で在庫リスクを抱えてしまいます。それよりも価格が安くとも漏れなく買い取ってくれる漁協に卸すといった判断をしがちなことにも無理はありません。
産直には一定の需要がありつつも、供給側がそういった需要を知らない、もしくは知っていても対応に積極的でないがためにそもそも選択肢が少ないことも一つの難しさです。
片山水産は漁師直送と卸売市場の「いいとこ取り」を実現
鮮魚を漁師直送で仕入れることには鮮度や価格の面でのメリットがありますが、供給面や個体の品質の面でのリスクもあり、また、対応できる漁師を探すのも大変です。片山水産は「漁師直送」「卸売市場」それぞれの良い機能を併せ持ち、「良い品を、早く、安く」お客様のもとにお届けします。
- 玄界灘の高品質な鮮魚を最短翌日で直送
- 複数の仕入れ先からの安定供給
- 大量仕入れによる安価での販売
- 質の良い個体を店主自ら目利きし、最適な梱包で発送
1.玄界灘の高品質な鮮魚を最短翌日で直送
片山水産は地元福岡の漁師と密接なつながりを持っています。玄界灘で獲れたばかりの新鮮な魚介を即日で買い付け、発送することが可能です。陸路・空路を活用し、需要の多い東京エリアにも水揚げの翌日にお届け。「漁師直送」と全く同レベルの鮮度での発送が可能です。
2.複数の仕入れ先を持ち、安定供給
片山水産は地元の複数の漁師から仕入れを行い、お客様に販売しています。そのため、特定の漁業者の不漁などに伴って供給量が下がるリスクを大幅に抑え、安定供給を実現しているのです。主な仕入れ先は玄界灘ですが、九州中に仕入れルートがあるため、悪天候での不漁リスクにもリスクヘッジを行っています。
3.大量仕入れによる安価での販売
片山水産は多くの仕入れ先を持つ一方で、多くのお客様にご支持いただき継続でのお取引をいただいています。仕入れ先からボリュームディスカウントで安価に仕入れることができ、お客様にもお値打ち価格での商品提供が可能です。
4.質の良い個体を店主自ら目利きし、最適な梱包で発送
片山水産では仕入れにおいて、この道40年のベテランである代表の片山自身の目利きにより個体を厳選します。片山は水産業者だけでなく、海鮮居酒屋の料理長としての顔も持っており、飲食店目線で質のいい魚を厳選することが可能です。
もちろん、魚の扱いにかけてはプロ中のプロなので、鮮度をしっかりと保てる状態で梱包・発送を行います。
まとめ
鮮魚を漁師直送で仕入れるメリット・デメリットを解説しました。
- 漁師からの直送は鮮度面や価格面でメリットがある可能性が高い
- 一方で供給が不安定な可能性があり、品質が安定しないリスクがある
- 「産直」に対応している漁師の数自体が少ない
産直販売に慣れていない漁師も多く、商品の質が安定しない可能性、そもそも対応できる漁師を見つけられない可能性なども考えられます。しかし、良い仕入れ先を見つけられれば、「漁師直送」仕入れの鮮魚は店の看板メニューにできるほど魅力のあるものです。
「産直」に興味を持った方は今回の記事も参考に、対応できる漁師を探してみてください。
片山水産では漁師直送と同じ鮮度での発送を実現し、さらに代表の目利きによる個体の厳選で質の良い商品だけをお届け。仕入れ先、販売先も多いため、商品が提供できないリスクが非常に低く、かつ安価での販売を実現しています。
少量のご注文(当店では店舗様の仕入れをメインに扱っていますが個人のお客様からのご注文も受けております)からでも承りますのでまずはお気軽にご相談ください。