飲食店にとって、食材の仕入れは美味しい料理を提供するために欠かせない要素。良質な食材は多少価格が張っても仕入れたいのが本音です。
一方で原価率の高さは経営の悪化に直結します。近年は物価高から食材の仕入れ値も上がり、メニューの値上げの意思決定に迷われる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、飲食店の原価率を下げるための方法とポイントについて、飲食店の料理長と水産業者の2つの顔を持つ片山水産の代表が徹底解説します。飲食店目線と飲食店の仕入れ先目線、2つの観点から見た知見をお話しできるので、原価率を下げるための大きなヒントになると思います。
仕入れの原価率でお悩みの経営者様、ご担当者様はぜひご覧ください。
Contents
飲食店の原価率の考え方と目安
まず、大前提となる考え方や飲食店での原価率の目安について解説します。
原価率とは、売上に対する原材料の仕入れ価格の比率のことです。
いくつか例を見てみましょう。
- ラーメン(800円)の材料の原価が240円の場合:原価率=240/800=30%
- ラーメン餃子セット(1000円)の原価が350円の場合:原価率=350/1000=35%
- ラーメン餃子セット+ビール(1500円)の原価が400円の場合:原価率=400/1500=26.7%
あくまで一例ですが、提供するメニューによって原価率が異なる場合、お客様がどのように注文するかによっても1回の注文当たりの原価率は変わります。
一般的に飲食店の原価率は30%程度に抑えることが理想と言われています。飲食店の経営において経費(人件費、水道光熱費、家賃など)を90%と考えた時、逆算すると食材の原価に割くべき数値が30%程度となるのです。ただし、近年は物価高から全体として原価率が上昇している傾向にあり30%強~40%弱という飲食店も少なくはありません。
また、業態によっては顧客の回転率を上げることにより、原価率が高くても「薄利多売」で収益を上げられるケースもあります。たとえば「いきなりステーキ」は提供価格に対して高品質な、原価率の高い牛肉をステーキとして提供しています。しかし、「立ち食い」スタイルを導入することにより一顧客の滞在時間を短くして回転率を高めることで高収益をあげていました。
一概に「安ければ安いほど絶対に良い」というわけでもありません。戦略に応じて適正な範囲で抑えることが重要です。
飲食店で原価率を下げる方法
仕入れ材料の原価率を抑えることは経営判断として重要ですが、原価率を下げるためにはいくつかのアプローチ方法があります。先ほどの考え方をもとに原価率を下げる方法を複数見ていきましょう。
1.仕入れ価格を下げる
言うまでもなく、仕入れにかかっている価格自体が下がれば仕入れ原価は下がります。とはいえ、全く同じ材料をただ安く仕入れるというのは簡単ではありません。また、安くとも質の悪い材料に切り替えると商品の質が落ち、顧客離れにつながりかねません。
そのため、仕入れ価格を下げるための努力が必要となります。
- 既存の業者と交渉して単価を下げる(継続取引・ボリュームディスカウントなど)
- 同じ材料を安価に仕入れられる業者を探す
- 同等以上の質で安価な材料を新たに探す
上記は一例ですが、現実的な方法を模索することが重要です。
2.料理の価格を上げる
原価率を求める分母である商品の価格を上げれば、食材の仕入れ価格が同じであっても原価率が下がります。近年は物価高を背景とした飲食店の値上げは大手も含めて一般化しており、ある程度の値上げについてはお客様も「仕方のないもの」と納得してくれるはずです。
とはいえ、一般的には飲食店のメニューは価格が安い方が喜ばれます(会員制の高級店などの場合は価格が高いことが価値になる場合もありますが)。
値上げは「仕方がない」とは思っても喜ばしいことではありません。そのため、単なる値上げは原価率が経営に著しい影響を与えている場合などやむを得ない場合のみにとどめることをおすすめします。
もしくは、値上げに際して原価率を改善させながら何らかの付加価値をつけることで顧客満足度を上げるような努力を加えるのもおすすめです。
3.料理もしくは高額な原材料の量を減らす
提供する商品の値段を変えずに量を少し減らす、もしくは原価のかかる食材の比率を下げることで一品の提供あたりの原価が下げるため、原価率を減らすことができます。
ただし、このような手法はいわゆる「ステルス値上げ」とも言われなけない手法であり、場合によっては通常の値上げよりも消費者離れを招く可能性もあります。
この方針をとる場合、なおさら顧客満足度を下げない何らかの工夫が必要と言えるでしょう。
4.原価率の低い注文が増えるよう、メニュー全体を調整する
原価率は30%程度が目安、といっても全ての食材をその水準にそろえることは難しく、提供メニューによってばらつきが出るはずです。
逆に言えば、原価率が必然的に低くなるメニューの注文数を増やすことができれば、売上全体での原価率も下げることができます。
メニューの単純な値上げや量を減らす実質的な値上げと比較し、お客様に不満、不信感を与えることなく実践しやすい方法と言えるでしょう。
例えば、大手焼き鳥チェーンの「鳥貴族」は「全品均一」をモットーに商品を提供しています。一品あたりの値段を気にすることなく、(昔と比べると上がってしまいましたが)低価格で、品質の良い焼き鳥を食べられることが価値となり、全国展開に成功しています。
価格が均一でも、もちろん原価率は均一ではありません。中には非常に原価率が高い商品もあるようですが、メニューの工夫により顧客満足度を上げながら、収益もしっかりと出すことに成功しています。
5.食材ロスを減らす
盲点ですが、非常に重要なポイントです。食材ロスとして廃棄してしまった食材は売り上げに全く貢献していないにもかかわらず、仕入れコストとしては当然かかってきます。
廃棄のコストまでかかってしまっていれば、完全にコストとして利益をひっ迫するものです。
「ロスを極力出さない」というのは複数の観点から当然の考え方ではありますが、原価率にも大きく影響するものである点もぜひ頭に入れておいてください。
鮮魚・魚介の仕入れは片山水産にお任せください!
鮮魚、魚介の仕入れを片山水産にお任せいただけると、様々な観点から飲食店様の仕入れ原価率の低減に貢献させていただきます。
産地直送の利点を生かし安価に魚をご提供
片山水産は地元九州を拠点とし、地元の漁師や長浜鮮魚市場で仕入れた鮮魚・魚介類をお客様に直送で販売します。
一般的な中央卸売市場を経由するルートと比較し、同じ商品を2割程度安価にご提供が可能です。質の良い商品を「価格だけを下げて」ご提供できるため、仕入れ原価率を下げることができます。
バツグンの鮮度と柔軟な受付で食材ロスのリスクを低減
片山水産では当日水揚げされた新鮮な鮮魚を丁寧に処理、梱包した上で発送します。そのため、鮮度が良いのはもちろんのことですが、届いてからの賞味期限・消費期限も長く、食材ロスのリスクを低減することが可能です。
また、注文を小口からでも都度必要な量受け付けるため、過剰仕入れによる食材ロスも発生させません。
経営に直結?原価を抑えて顧客満足を実現するメニューのご提案
片山水産の代表である片山は海鮮居酒屋のプロデュースも手掛けています。そのため、海鮮を活用した原価率が低く、お客様が喜ぶようなメニューのレパートリーも豊富です。
各お取引様のカラーにあった、原価を抑えつつお客様の心をつかめるメニューのご提案についてもお任せください。
まとめ
飲食店の仕入れ原価率を下げるための考え方について解説しました。飲食店にとって仕入れ原価は切っても切り離せないもので、適正な範囲で安く抑えられるにこしたことはありません。
一方で、原価を抑えるために顧客満足度を下げるような形になってしまうことも好ましくないため、取り組みにおけるバランスは非常に重要です。
今回紹介した内容も参考に、店舗での仕入れ原価改善に取り組んでみてください。
片山水産では、仕入れ原価改善に貢献できる食材の提供、メニューのご提案が可能です。ご興味がございましたら、まずは相談からでもお気軽にご連絡ください。